平成30年度事例
平成30年度は、県立西条高等学校・県立今治南高等学校の学校図書館整備の支援を実施しました。
西条高校では除籍予定図書の選定を、今治南高校では除籍予定図書の選定に加え、レイアウトの見直しを実施しました。
西条高校へ1回、今治南高校へ3回訪問し、除籍予定とする資料等の選定や、書架の配置や、展示方法等について、助言や協力を行いました。
今治南第1回目訪問 平成30年7月6日
職員2名で今治南高校学校図書館を訪問しました。
今治南高校では、校長先生が図書館を活性化したいと希望され、県立図書館が整備支援をすることになりました。
186.75㎡と広く、三方の壁に造付けの書架がある立派な図書館です。
閲覧席も90席と十分あります。
しかし、図書館のある校舎が生徒が普段使う校舎でないうえ3階にあるため、利用者は限定的でした。
そこで、
①生徒誰もが自由に集える居心地のいい場所にしたい!
②蔵書の多くは長い年月使われていないので、生徒が読みたい、または生徒に読ませたい図書をちゃんと配架したい!
という希望をお聞きしました。
担当教諭からは、利用されていない蔵書の除架や除籍の選定に助言が欲しい、また、生徒がくつろいで読書できるスペースを作りたい、とも話されていました。

【図書館写真】(撮影:県立図書館、2018年7月)
今治南第2回目訪問 平成30年12月27日
今回は、職員4名で訪問しました。
前回訪問後に、教職員の方々が利用の少ない図書を中心に約1,000冊を別の場所に移動してくれていました。
また、レイアウトを少し変更されていて、点在していたライトノベルや文庫本をカウンターに近い、生徒が利用しやすい場所に移動されていました。固定していない書架も2本撤去されて、すっきりした印象を受けました。
今回は、除籍予定図書の選定について整備支援をしてほしいとのことでしたので、発行年が古く、生徒にほとんど利用されていない図書や全集を中心に職員で検討しながら除荷していきました。除架した図書は閲覧机に積み上げていきました。
3時間程度作業して、ざっと除架を終えましたが、もう少し除架をする必要があります。それは、次回の訪問時に、レイアウトの変更と一緒にすることにしました。

文部科学省の定める「学校図書館ガイドライン」でも、学校は、「児童生徒にとって正しい情報や図書館資料に触れる環境整備の観点や読書衛生の観点から適切な廃棄・更新に努めることが望ましい」と書かれています。
本は貴重なものだし、どう除籍すればいいか悩まれる学校は多く、それを図書館員が支援することで、読書環境が少しでも整えばいいなと思うばかりです。

【図書館写真】(撮影:県立図書館、2018年12月)
今治南第3回目訪問 平成31年1月30日
今回も、職員4名で訪問しました。
前回訪問後に、教職員の方々が、書架を撤去したスペースに、余剰品の応接セットを設置されていました。これだけで、一気に楽しい空間が生まれていました。
今回は、次の3点を中心に整備支援を行いました。
①カウンター周りの不揃いな書架を統一する。
②参考書や調べ学習に使えそうな図書を集めて、調査研究のためのエリアを作る。
③応接セットを設置しているコーナーを整備する。

完成した図書館がこちらです!
【図書館写真】(撮影:県立図書館、2019年1月)



かなりの冊数を除架したつもりでしたが、まだまだ本が多すぎる印象です。
ですが、書架の高さを揃えたり、配置を変えたりしたことで、すっきりとした図書館になりました。
今後は、学校側で除籍作業をすすめ、同時に書架にサインを付けたりして整備の仕上げをされます。